2×4工法(ツーバイフォー工法)とは、北米から輸入された、木造の建築工法の1つであり、木造枠組壁工法ともいいます。
断面サイズが「2インチ×4インチ」の角材を使い、床、壁、天井の「面」で建物を支える工法です。
2×4工法は地震や風の力を1か所に集中させない為、構造の安定度が高いです。
また、東日本大震災の際の津波でも家が崩壊せずに流れた経緯から注目されております。
メリット
①耐震性・耐風性に優れている
「面」による工法である為、「線」によって家を組み立てる在来工法よりも耐震性・耐風性に優れています。東日本大震災で津波が発生した際にも、家が崩壊せずに流されたという話も納得の耐震性があります。
②高断熱・高気密である
木材の隙間が少ない為、気密性や断熱性にも優れています。 また、耐火性能が施されています。
③工期が短い
建築前に材料を大量生産し、建築現場で組み立てる方法で工事施工する為、通常よりも工期が短い傾向にあります。
デメリット
①規格が統一されている
建物の構造上、「面」で組み立てている為、開口部の設計が制限されたり、間取りを変更するといったことに対しての柔軟性に欠けたりします。したがって、リノベーション工事がしにくいです。
②カビやダニが発生しやすい
高気密・高断熱であるがゆえに、内外の温度差が大きくなる為、結露が生じやすいです。結果、カビやダニが発生しやすい環境となります。
高気密住宅とは、「隙間を減らした住宅」のことです。気密シートや気密性の高い窓、ドアなどを使い、隙間がなるべく作らないように建てられています。冬に隙間から冷気が入ってきにくく、暖房器具で暖かい空気も逃がしにくいです。
メリット
①夏も冬も快適に過ごすことが可能
外気の影響を受けにくい為、冷暖房が効率よくかかり、1年中快適に過ごせます。
②冷暖房のコストが節約できる
冷暖房が効率よくかかる為、エネルギーロスが最小限で済み、電気代の削減になります。
③換気が効率的にできる
高気密である為、無駄な漏気を防ぎつつ、「24時間換気システム」の機能で、常にきれいな空気を室内に取り入れることができます。
④防音効果が高い
隙間から音が漏れず、断熱材も音を吸収してくれる為、遮音性に優れています。
デメリット
①建設コストがかかる
優れた断熱材の使用、しっかりとした設計、精度の高い施工が必要となる為、他の工法よりも建設コストはかかります。固定費が下がることも考慮してご検討ください。
②内部結露の可能性がある
施工上の問題で断熱材に隙間ができてしまった場合、そこから内部結露(壁の内側や床下などが結露すること)が発生し、カビやダニの原因となる可能性があります。
在来工法とは、日本の伝統工法を応用した最もメジャーな木造の建築方法であり、木造軸組工法ともいいます。
柱と梁を組んで家の骨組みを作り、地震や風などの水平方向にかかる力に対しては筋交い(すじかい)や耐力壁で強さを出します。
メリット
①間取りが自由
柱と梁で構造を作り、壁を配置するという工法の為、基本的には自由な間取りの設計が可能です。
②窓を大きく作れる
柱と梁からなる在来工法であれば大きい開口部を持った開放的な間取りが可能です。
③リノベーションもしやすい
間取りに融通が利く為、増築、減築を伴うようなリノベーションにも柔軟に対応ができます。
デメリット
①施工期間が長い
間取りの自由度が高い分、規格化されている2×4工法に比べて、施工期間が長いです。
②建築コストが高い
施工期間がかかる分の人件費、使用する素材の自由度が高い分の材料費用でコストがかさんでしまうことがあります。工場であらかじめ加工を行い、接合部に金物を使用することで工事施工の省力化、合理化が進んでいます。